日本全国各地にあるドローンスクールでは、民間資格から国家資格まで幅広い資格取得コースを用意しています。ドローン国家資格や民間資格は独学でも取得できるものの、長期間の勉強が必要であり、ドローンの操作が難しいため操縦技術もつきません。ドローンスクールの受講を検討している方は、費用相場や学習内容が気になる点です。
本記事では、ドローンスクール受講に関わる費用の種類や、ドローン国家資格・民間資格コースの相場を徹底解説します。受講料が最大75%助成できる『人材開発支援助成金』についても説明します。
この記事でわかること
- ドローンスクール受講に関わる費用
- ドローン国家資格取得コースの相場
- ドローン民間資格取得コースの相場
- 受講料が最大75%助成できる『人材開発支援助成金』について
目次<クリックして開く>
ドローンスクール受講に関わる費用は全部で4種類
ドローンスクールを受講する際に必要な費用は、主に4つに分類されます。最も重要なのはコースの受講料であり、費用の大部分を占め、スクールによって金額に大きな差が見られる部分です。
ドローンスクール受講に関わる費用項目
| 費用項目 | 説明 | 費用相場 |
|---|---|---|
| コース受講費用 | ドローン操縦や法律に関する座学、実技トレーニングの費用です。内容や日数により異なります。 | 数万円~十数万円 |
| 機材費用 | ドローンや関連機器の購入費用です。スクールによっては貸し出しがあります。 | 数万円~ |
| 資格取得費用 | 資格試験の受験料や認定料です。資格の種類やレベルに応じた追加費用が発生します。 | 数千円~数万円 |
| その他諸費用 | 交通費、宿泊費、教材費などの直接講習以外の費用です。遠方からの参加の場合は負担となります。 | 変動あり |
コース受講費用以外にも費用がかかる
コース受講費用以外に、資格申請費用、出張費用、交通費・宿泊費などの実費といった様々な費用が発生します。
資格申請費用
ドローンスクール受講には資格申請費用が別途かかります。コースを修了した後、該当する資格の認定申請を行うのが一般的です。コース料金とは別に資格申請費用が発生する場合があり、相場は1~2万円程度です。多くの資格には有効期限が設定されており、更新時に再び申請費用が必要になることがあります。スクールによってはコース料金に資格申請費用が含まれる場合があるため、事前に確認することが重要です。
出張費用
講師を自分の指定した場所に招いて出張講習を依頼する際に、出張費用が別途かかります。スクールによっては交通費や宿泊費のみが請求される場合や、出張費として数万円が必要となる場合があります。スクールに直接行って受講する場合は、これらの費用はかかりません。
交通費・宿泊費などの実費
遠方のスクールに通う際には、交通費や宿泊費を自己負担する必要があります。短期集中コースや合宿形式のコースでは、宿泊費がコース料金に含まれていることもあるため、詳細については事前にスクールに確認することをおすすめします。
ドローン国家資格の取得コース受講料は約15万円~30万円が相場
初めて資格を取得する「初学者」の場合、国家資格では「二等資格」から取得することになります。
初学者向け二等資格の講習費用は「約30万円」が相場です。
既に民間資格を持っている「経験者」は、講習の一部が免除され時間が短縮されるため、費用も下がります。
経験者が「二等資格」を取得する場合、「約15万円」が相場です。
経験者が「一等資格」を取得する場合の費用相場は「25万円」前後となります。
具体的な費用は講習機関によって異なるため、受講前に必ず問い合わせてください。
ドローン免許学校の国家資格受講料例
| 資格 | コース料金(初学者) | コース料金(経験者) |
|---|---|---|
| 一等資格 | (実施しない) | 268,400円(税込)※基本の技能証明(限定変更なし)のコース料金 |
| 二等資格 | 276,100円(税込)※基本の技能証明(限定変更なし)のコース料金 | 129,800円(税込)※基本の技能証明(限定変更なし)のコース料金 |
※上記の費用は、埼玉県行田市でドローン国家資格を取得できる『行田ドローンスクール』の例であり、スクールによって受講料は異なります。
ドローン民間資格の取得コース受講料は約10万円~30万円が相場
ドローンスクールの受講費用が大きく変動する主な理由の一つに、資格を認定している管理団体の違いがあります。民間資格の取得コース受講料は、一般的に約10万円から30万円が相場です。
主要なドローン民間資格のコース料金目安
| 資格 | コース料金目安 |
|---|---|
| JUIDA『無人航空機操縦技能』 | 約25万円 |
| DPA『ドローン操縦士回転翼スペシャリスト』 | 約20万円 |
| DPCA『DRONEフライトオペレーターADVANCEDコース』 | 121,000円(税込) |
これらの資格は管理団体が異なるため、資格取得に必要なカリキュラムや技術的な内容、申請にかかる費用も管理団体ごとに異なります。
重要事項: ドローン民間資格は2025年12月より、飛行許可申請では使用できなくなり、ドローンの知識と技術力の証明のみ使用できるようルールが変更されます。そのため、2025年時点では、ドローン国家資格を優先して取得することが推奨されています。
各ドローン資格の費用相場と概要
ドローン国家資格と民間資格それぞれの費用相場と概要を比較します。
ドローン国家資格・民間資格の費用相場と特徴
| 資格 | 特徴 | コース料金相場 |
|---|---|---|
| 無人航空機操縦士(1等国家資格) | ドローン免許の中で最上位資格です。レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が可能であり、技術証明として民間資格よりも優位です。通常は、あらかじめ2等国家資格や民間資格の取得が推奨されます。 | 25万円~30万円 |
| 無人航空機操縦士(2等国家資格) | レベル1~3の飛行許可申請が原則不要になります。技術証明として民間資格よりも優位です。 | 15万円~30万円 |
| JUIDA『無人航空機操縦技能』 | 最も長い歴史を持ち、国内で累計3万人を超える取得者を輩出しました。ドローン業界で広く認知されている民間資格です。 | 25万円前後(税込) |
| DPA『ドローン操縦士回転翼スペシャリスト』 | 東京海上日動火災保険の『DPAドローン総合保険制度』が自動的に付帯します。また、専門セミナー受講/講演会参加/書籍購入などの会員特典が受けられます。 | 約20万円 |
| DPCA『DRONEフライトオペレーターADVANCEDコース』 | 資格取得の価格が最も安いです。 | 121,000円(税込) |
国家資格『一等無人航空機操縦士』:約30万円
一等無人航空機操縦士は国土交通省が認定する国家資格で、正式名称を「無人航空機操縦者技能証明」といいます。無人航空機を安全に飛行させるために必要な知識や技能を証明するものです。
| 管理団体 | 国土交通省 |
| 受講料目安 | 約30万円 (ただし、前提となる資格取得が必要) |
| 有効期間 | 3年間 |
| 証明書発行料 | 3,000円 |
| 登録免許税(一等のみ) | 3,000円 |
| 更新費用 | 2,850円 |
この資格を持つと、第一種機体認証を受けた無人航空機を特別な立入制限措置を取ることなく飛行させることが可能です。第三者がいる有人地帯の上空でも目視外でのドローン操作が認められ、飛行レベルでは「レベル4」に該当する高度な操作が可能です。資格取得のためには、18時間の座学と50時間の実技講習を受け、最終的に実技修了審査に合格する必要があります。講習費用の目安は、約30万円となっています。
国家資格『二等無人航空機操縦士』:約15万円~30万円
二等無人航空機操縦士技能証明は、カテゴリーⅡに該当する無人航空機の飛行において、安全対策を講じた上で特定飛行を実施するための知識と能力を証明するものです。
| 管理団体 | 国土交通省 |
| 受講料目安 | 約15万円~30万円 |
| 有効期間 | 3年間 |
| 証明書発行料 | 3,000円 |
| 更新費用 | 2,850円 |
証明を取得し、指定された条件を満たすことで、カテゴリーⅡBの特定飛行(第二種機体認証および二等操縦士技能証明が必要)の際に、飛行許可や承認手続きが不要となります。
JUIDA『無人航空機操縦技能』:25万円前後
JUIDAの「無人航空機操縦技能」は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する無人航空機の操縦に関する技能証明です。2015年開始と国内で最も歴史があり、取得者はすでに3万人以上に達しています。
| 管理団体 | 日本UAS産業振興協議会(JUIDA) |
| 受講料目安 | 25万円程度 |
| 有効期間 | 2年間 |
| 年会費 | 5,000円(準会員) |
| 証明書発行料 | 22,000円 |
| 更新費用 | 7,700円 |
資格取得にかかる費用は25万円程度と、二等国家資格に比べても少し高価です。JUIDAは、「無人航空機操縦技能」に加えて、より高度な安全管理やリスクマネジメントのスキルを証明する「無人航空機安全運行管理者」という上位資格も提供しています。両資格を同時に取得できるコースの費用は約30万円です。
DPA『ドローン操縦士回転翼スペシャリスト』:約20万円
DPA(ディーパ)が認定する『ドローン操縦士回転翼スペシャリスト』は、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)によって2017年6月に導入されたドローンの操縦技術に関する資格です。
令和7年6月以前は「ドローン操縦士回転翼3級」という名称でした。
| 管理団体 | 一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA) |
| 受講料目安 | 約20万円 |
| 有効期間 | 2年間 |
| 年会費 | 11,000円(準会員/個人) |
| 証明書発行料 | 12,000円 |
| 更新費用 | 12,000円 |
取得費用は約20万円であり、このコースの受講料は全国的にほぼ同じ価格設定となっており、受講する場所による費用の違いはほとんどありません。資格の有効期間は2年間であり、2年ごとに更新手続きが必要です。
DPCA『DRONEフライトオペレーターADVANCEコース』:121,000円(税込)
一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)が認定する『DRONEフライトオペレーターADVANCEコース』は、業務でドローンを安全に操作・運用するための知識や操縦スキルを身につけるための資格です。
| 管理団体 | 一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA) |
| 受講料 | 121,000円(税込) |
| 有効期間 | 2年間 |
| 年会費 | 5,500円(一般会員) |
| 証明書発行料 | 16,500円 |
| 更新費用 | 5,500円 |
DPCAでは、65,000円(税抜)の「DRONEフライトオペレーター講習」も開催されています。
しかし、本コースだけでは操縦時間が10時間に達しない点に注意が必要です。
国家資格のコース受講の際「経験者」となるためには、10時間以上の飛行経験が求められるため、コース修了後に自主的に練習を行い10時間以上の操縦経験を証明する必要があります。
ドローンスクールを選ぶ際に確認すべき重要ポイント
国家資格や民間資格の費用相場を理解したら、いよいよ自分に合ったスクールを選ぶ段階に入ります。どのドローンスクールも教えられる内容に大きな差はないため、講師の人柄やアフターフォロー(仕事紹介)などが受講生がスクールを選択する重要な要素となっています。スクールの質を見極めるために、受講前に以下のポイントをチェックしましょう。
立地と日程:通学のしやすさとトータルコストを考慮する
ドローンスクールを選ぶ際には、訪問可能な地域で、通いやすい場所にあるかを検討することが重要です。 いくら魅力的なカリキュラムがあっても、通学に時間と費用がかかりすぎると継続が難しくなります。コース料金の安さだけでなく、遠距離通学の場合は交通費や移動時間が大きくなるため、通学にかかるトータルコストを考慮することが大事です。 また、基本的な開講時間帯や曜日などを確認し、自分のライフスタイルに合った通学プランかどうかを見極める必要があります。講師の質と指導体制:実績と経験を重視する
講師やインストラクターがどのような実績や現場経験を持っているのかは、受講内容の質を大きく左右します。企業や官公庁などで実務経験を積んだ講師であれば、より実践的なアドバイスを受けられるでしょう。
指導体制においては、少人数制のスクールは講師との距離が近く、きめ細かな指導を受けられる可能性が高いです。公式サイトや説明会などで講師紹介や指導方針を確認し、信頼性や熱意を評価することが大切です。
カリキュラムと使用機体:実践的な学習環境かを確認する
効率的なスキル習得には、座学と実技のバランスが取れているカリキュラムが直結します。特に法律や安全管理については常に内容が変化する可能性があるため、最新の情報に対応した講習を行っているかチェックしましょう。
実技で使用するドローンの機体性能にも注目が必要です。高性能な機体を使うことで、撮影や点検の技術もレベルアップしやすくなります。
無料説明会や体験会を活用する
スクールの雰囲気や質を確認し、事前に疑問点を解消してから受講を検討するため、まずは無料説明会や体験会を活用するのがおすすめです。
説明会では、ネット上の情報だけでは得られない現場の雰囲気を知ることができます。懸念点や入学後のスケジュールについて、スクールの講師に直接質問できるのもメリットです。
ドローンスクールの受講料は、『人材開発支援助成金』を活用することで最大75%助成できる
ドローンスクールの受講料は、『人材開発支援助成金』制度により最大75%の助成が受けられる場合があります。
人材開発支援助成金とは、厚生労働省が管轄する助成制度です。事業主が従業員に対して職務に必要な専門知識や技能を習得させるための職業訓練を計画に基づき実施した場合、訓練費用や訓練中の賃金の一部が支給されます。
令和5年度からは支給対象の労働者範囲が拡大され、新たにリスキリング支援コースも設けられ、支援内容がより充実しています。この制度は中小企業だけでなく、大企業も利用可能です。受講費用が高い国家資格等を取得する場合、この助成金を活用して費用を抑えることが可能です。
まとめ
ドローンスクール受講に関わる費用の種類やドローン国家資格・民間資格取得コースの費用相場を解説しました。受講費用は、取得を目指す資格やスクール、コースによって大きく変わります。
ドローンスクール受講費用の総括
- ドローンスクール受講に関わる費用は、「コース受講費用」「機材費用」「資格取得費用」「その他諸費用」の4種類があります[17]。
- ドローン国家資格の取得コース受講料は、15万円~30万円が相場です。
- ドローン民間資格の取得コース受講料は、15万円~25万円が相場です。
- ドローン民間資格は2025年12月に飛行許可申請のエビデンスとしての使用が廃止されるため、国家資格の取得がおすすめです[17]。
- ドローンスクール受講において、最も費用相場が高いのは『無人航空機操縦士(一等国家資格)』であり、最も安いのは『DRONEフライトオペレーターADVANCEDコース』です。
- 最初にドローン資格を取得する方は、まず二等無人航空機操縦士(2等国家資格)から受講しましょう。
- 条件に当てはまる方は、『人材開発支援助成金』を活用すると受講料の最大75%が助成されます。
