高山無線

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電波とは?仕組みと身近な例をわかりやすく解説

電波とは?仕組みと身近な例をわかりやすく解説

「電波」という言葉は知っていても、その仕組みや定義を聞かれると説明に詰まる方が多いのではないでしょうか。

電波は目に見えない電磁波の一種で、周波数と波長という2つの性質によって伝わり方が変わります。

本記事では、電波と電磁波の関係、周波数・波長の意味、身近な機器での使われ方(スマホ・Wi-Fi・テレビ・電子レンジなど)、電波が伝わる仕組み(反射・回析など)、携帯電話がつながる仕組み、ルール(電波法や技適)まで、わかりやすく解説します。

結果、以下の疑問点が把握できるでしょう。

電波に関して疑問や不安をお持ちの方の助けとなれば幸いです。

電波とは何か:「電磁波」とは違う?

電波とは何か:「電磁波」とは違う?

電波は空間を伝わるエネルギーの波で、情報を運ぶ性質を持ちます。

送信側のアンテナから出た波が周囲へ広がり、受信側が波の変化を読み取ることで情報が伝わります。

まずは、電波に関する主要な以下の3点について、知っておきましょう。

  • 電磁波
  • 周波数
  • 波長

次からは、①電波の仲間にあたる電磁波の全体像、電波の性質を決める②周波数と③波長について、身近な例とともに紹介します。

電磁波とは

電磁波は、電気の力が働く電界と、磁石の力が働く磁界が、互いに影響しながら空間を伝わる現象です。

電流が流れると周囲に磁界が発生し、その磁界が変化すると電界が生まれます。

電界と磁界が交互に作用しながら空間を伝わる現象が、電磁波の正体です。

電磁波には電波のほかに、赤外線・可視光線(=太陽や電灯の光)・紫外線・X線・ガンマ線が含まれます。

光も電波も同じ仲間ですが、周波数の違いによって性質と呼び名が変わり、日本の電波法第2条第1号では、3THz(300万MHz)以下の周波数の電磁波を「電波」と定義しています。

また、周波数帯を法律で管理することで、混信や妨害を防いでいます。

以下に、電磁波の種類と、各特徴や周波数をまとめました。

電磁波の種類周波数帯の目安特徴
電波3THz以下通信・放送・レーダーなどに利用
赤外線3THz〜400THz程度リモコンや温度センサーに利用
可視光線400THz〜800THz程度電磁波の中で唯一目に見える
紫外線800THz〜30PHz程度殺菌や日焼けに関係
X線・ガンマ線30PHz以上医療画像診断などに利用(電離放射線)

周波数とは

周波数は、1秒間に波がくり返される回数を表す量で、単位はHz(ヘルツ)です。

日常的にはHzの100万倍を表すMHz、10億倍を表すGHzという単位もよく使われ、数値が大きいほど、電気信号は短い時間の中で振動も多くなります。

<例>Wi-Fiの「2.4GHz」という表記は、1秒間に24億回振動する波の意味です。

周波数が変わると、電波の伝わり方も変わります。

また、電波に情報を乗せる仕組みを変調と呼びます。

音声や画像のデータを、周波数や振幅のわずかな変化に置き換えることで、電波は情報の運び役になります。

波長とは

波長は、波の山から次の山までの間隔にあたる、波1周期分の長さです。

UZic, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

周波数と波長は反比例の関係にあり、周波数が高いほど波長は短くなります。

<例>2.4GHzの電波の波長は、約12.5cmです。

波長は伝わり方の直感にもつながります。

身近な電波の利用例

身近な電波の利用例

身近な電波の利用は、通信だけでなく加熱や認証まで多岐にわたります。

無線通信とはケーブルを使わず電波で情報をやり取りする方式全般を指し、スマホやWi-Fiはその代表例です。

スマホ・Wi-Fi・Bluetooth

スマホは、基地局と電波でつながり、通話やデータ通信を行います。

移動中も接続を保てるのは、周囲の基地局へ自動的に切り替える仕組みと、状況に応じて送信電力を調整する仕組みが働いているためです。

Wi-Fiルーターは、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のいずれかで電波を発信します。

Bluetoothは、数m〜数10m程度の近距離通信向けの規格で、2.4GHz帯を使用します。

イヤホンやキーボードの接続に使われ、遠くまで飛ばす必要がない分、低消費電力で動作するよう設計されています。

テレビ・ラジオ

テレビとラジオは、放送局が送信した電波をアンテナで受信し、映像や音声として再生する仕組みです。

1対1でやり取りする通信方式とは異なり、一つの送信所から多数の受信機に同時に届けます。

受信品質は、アンテナの向きや高さ、周囲の建物、屋内の配線状態によって変動します。

また反射した電波が別経路からも届くと、場所によって映りや音質が変わる原因になるでしょう。

電波が弱い場合、アナログ放送ではノイズが画面に細かい砂状の乱れとして現れる一方で、デジタル放送では、映像が止まる、ブロック状に乱れるといった症状に変わります。

電子レンジ

電子レンジは、2.45GHz帯のマイクロ波で食品中の水分子を振動させ、その運動を熱に変えて加熱する仕組みです。

庫内から外部への電波漏れを防ぐため、扉のガラス面には、目には見えても電波は通しにくい金属メッシュが組み込まれています。

電子マネー・交通系IC

電子マネーや交通系ICカードは、13.56MHz帯の電波を使うNFCやFeliCaという方式で、端末とカードが数cm程度の距離で情報をやり取りし、決済や本人確認を行います。

通信距離をあえて短く設計することで、誤作動や第三者による読み取りのリスクを避けています。

機器・サービス主な周波数帯特徴
Wi-Fi(無線LAN)2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯低い周波数帯ほど届きやすく、高い周波数帯ほど高速
Bluetooth2.4GHz帯数m〜数十m程度の近距離、低消費電力
携帯電話(4G/5G)700MHz帯〜4.5GHz帯、5Gミリ波は28GHz帯低い周波数帯は広域カバー、高い周波数帯は大容量通信向け
電子レンジ2.45GHz帯水分子を振動させて発熱、Wi-Fiと近い帯域
電子マネー・交通系IC13.56MHz帯数cm程度の近距離専用

電波の伝わり方と特徴

電波の伝わり方と特徴

電波は一直線に進むだけでなく、周囲の物体や地形の影響を受けながら届く性質があります。

屋外では建物や車、屋内では壁や家具、人の体までが電波環境を変える要因です。

ここでは代表的な5つの特徴

について、解説します。

反射する

電波は、建物の壁や金属に当たると反射し、方向を変えて進みます。

屋内でルーターの置き場所を変えると通信状況が変わるのは、反射する経路が変化するためです。

反射をくり返すたびに、電波はエネルギーを失い弱くなります。

見通しの良い部屋よりも、壁や柱が多い間取りのほうが、速度低下や接続の途切れが起きやすくなります。

回り込む(回折)

電波は、障害物の角に沿って裏側へ回り込む性質を持ち、これを回折と呼びます。

周波数が低く波長が長い電波ほど回り込みやすく、建物の陰でも電波が届きやすくなります。

回折で届いた電波は、直進した電波より弱くなっている場合がほとんどです。

接続はできても速度が上がらないときは、回折した弱い電波を受信している可能性があります。

通り抜ける(透過)

電波は、ガラスや木材を比較的通り抜けやすい一方、金属や鉄筋コンクリートは通りにくい素材です。

厚みや内部構造によっても、減衰の度合いは変わります。

ルーターを金属棚の中や床近くに置くと、電波が通り抜ける回数が増えて通信状態が悪くなりがちです。

見通しの良い高い位置に設置すると、通り抜ける回数を減らせます。

距離で弱くなる(減衰)

電波は、発信源から離れるほど広がっていき、受信側が受け取れる強さは弱くなります。

近いほど強く遠いほど弱いという基本は、光や音と同じです。

携帯電話では、基地局からスマホへは電波が届いても、出力の小さいスマホから基地局へ電波が返せず、通話が途切れる場合があります。

上り方向の弱さが原因になるケースです。

干渉する

複数の電波が同じ周波数帯で重なると干渉が発生し、通信が不安定になります。

特にWi-Fiのように多くの機器が同じ帯域を共有する方式では、混雑が起きやすいです。

干渉は、電波が弱いときだけでなく、強くても発生します。

同じタイミングで複数の発信が重なると衝突が増え、待ち時間が長くなり、体感速度が落ちるでしょう。

携帯電話がつながる仕組み(基地局と通信)

携帯電話がつながる仕組み(基地局と通信)

スマホは、他の端末と直接通信するのではなく、周囲の基地局を経由してネットワークにつながる仕組みです。

基地局は、光回線などの有線ネットワークを介して通信会社の設備と接続しています。

通信は往復のやり取りで成立するため、基地局からスマホへ信号が届いても、スマホから基地局へ返す電波が届かなければ、通話やデータ通信は成立しません。

表示上は電波があるのに通話が始まらない現象は、この上り方向の弱さが原因のケースが多いです。

状況に応じて、スマホは送信電力を調整します。

基地局が遠い、遮る建物が多い環境では送信電力を上げようとするため、電池の消費量が増えます。

電波の強さと向き(アンテナの役割)

電波の強さと向き(アンテナの役割)

電波の強さは、送信側の出力だけでなく、受信側の感度によっても決まります。

送信と受信の両方が十分でなければ、通信品質は上がりません。

そのために重要な役目を持つのがアンテナです。

アンテナは電波を発したり受け取ったりする部品で、形状や配置によって指向性が変わります。

特定方向へ強く届けるアンテナと、周囲へ広く届けるアンテナがあり、携帯電話の基地局は扇状にエリアをカバーするアンテナ配置です。

ルーター周辺に金属製の棚や水槽、電子レンジがあると、反射や吸収によって受信状況が変わります。 

通信が不安定なときは、機器の故障を疑う前に、設置位置を高くする、障害物を減らしてみてください。

電波を使うときのルール(電波法と技適)

電波を使うときのルール(電波法と技適)

電波は誰もが使える資源である一方、混信や妨害を防ぐため法律でルールが決められています。

ここでは電波法と技適の基礎を見ていきましょう。

電波法の概要

電波法は、電波を公平かつ安全に利用するための法律です。

電波は有限な資源で、同じ周波数を同時に使うと混信が起きやすいため、周波数の割り当てや出力、通信方式が管理されています。

免許や登録が必要な機器がある理由は、危険性というより影響範囲の広さにあります。

遠くまで届く強い電波や、緊急通信など重要な用途の電波は、周囲への影響が大きいため管理が必要です。

一方、影響が小さくなるよう設計された機器は、免許不要で使用できます。

海外製の無線機器や改造品には特に注意が必要です。

規格外の出力や周波数で発信すると、周囲の通信に妨害を与え、結果として電波法違反になる可能性があります。

技適マークとは

技適マーク

技適マークは、無線機器が日本の技術基準に適合していることを示す表示で、技術基準適合証明などの制度に基づきます。

スマホ、Wi-Fiルーター、Bluetooth機器の多くで確認できます。

技適マークのない機器を国内で使用すると、電波法違反になる可能性があります。

海外通販や個人輸入で購入した無線機器は、日本向けの認証を受けていない場合があるため、購入前の確認をおすすめします。

無線と電波の違い

無線と電波の違い

電波は、空間を伝わる波そのものを指す言葉です。

一方、無線は、ケーブルを使わずに情報をやり取りする通信方式の呼び方で、電波はそこで使われる媒体の一つにあたります。

無線という言葉は、電波を使う方式を指す場合が大半ですが、赤外線を使う方式も含まれます。

例えば家電のリモコンは、ケーブルなしで動作しますが、使用しているのは電波ではなく赤外線です。

用語を分けて理解すると、トラブル時の切り分けがしやすくなります。

電波そのものの問題なのか、通信方式の設定や混雑の問題なのかを整理でき、対策も具体的になります。

電波と健康に関する疑問

電波と健康に関する疑問

電波が健康にどのような影響を及ぼすのか、気になる方もいるでしょう。

実際のところ電波は、X線やガンマ線と異なり、原子から電子を弾き飛ばすほどのエネルギーを持たない非電離放射線に分類されます。

総務省は国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の指針を踏まえた電波防護指針を定めており、この基準値以下で使用される携帯電話やWi-Fi機器について、健康に悪影響を及ぼす科学的な証拠は認められていません。

平成28年度 基本計画書案(生体電磁環境研究)

1 目的 電波の生物学的影響に関する研究を実施し、電波が人体へ及ぼす影響を科学的に解明することで、国民の電波利用に関する不安を解消し、より安全・安心に電波を利用できる環境を確保することを目的とする。

基地局や送信アンテナの電波も、電波防護指針の基準値を満たすよう管理されています。

不安を感じる場合は、各総合通信局が公開している電波の安全性に関する資料を確認するのも一つの方法です。

まとめ

まとめ 電波とは

今回は、電波とは何なのか、その仕組みをわかりやすく身近な例を元に解説しました。

結論として、電波は電磁波の一種で、周波数と波長によって性質が変わります。

周波数が違えば、回り込みやすさ、遮られやすさ、運べる情報量の傾向が変わり、用途ごとに周波数帯が割り当てられているのも納得がいくでしょう。

身近な電波の利用は、スマホ通信やWi-Fiだけでなく、テレビ・ラジオの放送、電子レンジの加熱、電子マネーの認証など多岐にわたります。

さらに、電波には反射・回折・透過・減衰・干渉という5つの特徴があり、つながりやすさや不安定さの要因です。

電波は共有資源のため、電波法で管理され、機器には技適などの基準が設けられています。

無線機器を選ぶときは技適マークを確認し、設置場所や周囲の環境も整えて安全かつ快適に活用しましょう。


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